らくがき-Ya!【本館】/【Fan Art】-ストレイト・ジャケット・おバカな小話-

 酒の肴で楽しむフィリシス。レイオットの色々捏造(笑)。

2006/06/26 初稿
2009/11/19 改稿
2014/07/14 修正
2016/06/18
 サイト掲載に当たり加筆修正。

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「昔ね、バスの中でおかしな痴漢に尻撫で回されてた事があってさー。面白かったからずっと見てたんだけど、馬鹿なのよー」
 創り話か事実なのかネリンには分らない。が、よほどツボに入っているらしく、フィリシスは手を振りながらけたけたと笑い飛ばした。
「私が悪かったんですーっ! ああもう、分ったから止めてええっ!!」
 酒ではなく羞恥心で首まで真っ赤に染まりながら、ネリンは声を上げ続ける。
「レイって、尻とか腰の辺りは結構弱いみたいねー。良くも悪くも男って事なのかしら」
「いや――っ!! 聞きたくな――いっ!!!!!」
 言葉の解釈による他愛のない悪戯とはいえ、いくらなんでも度が過ぎているだろう。
 グラスを放るようにテーブルへ置くと、ネリンは両耳を塞いだ。
 必死の抵抗を面白がって、フィリシスは益々エスカレートする。
「撫でられたりするとちょっと駄目みたいでねー……」
「ぎぃやああぁあぁあああああああっ!!!!!」
 耳をふさいでもなお、漏れ聞こえる言葉の数々を打ち消すべく、ネリンは声を張り上げ顔を背けた。
「――……をね、すると良いのよ。そういうの好きみたい。凄く気持ちイイみたいだからー……」
 フィリシスはソファを移動しネリンの視界に自分を入れ込むと、その目の前で手を動かした。そこには無い何かを探り、形をなぞりあげる様な手つきは、ある種の生々しさをもって訴えかける。美しい手は妖しく滑らかに動き、淫靡に言葉を補った。
 強烈な視覚毒が口撃に加わり、ネリンはいっそう震え上がる。一度は目を閉じたものの、フィリシスの緑色の瞳をまともに見てしまうと、視線を逸らす事もまぶたを閉じる事も出来なくなってしまった。
「ひいぃいぃいいいい~~~~~っ!!」
 ネリンの口から絶望的な諦めとともに悲鳴が上がった。

 ──ああ。
 もういっそのこと、このまま意識が飛んでしまえばいいのに。
 そうすれば楽になれるのに、つい、見てしまうはしたない自分が嫌だ。

 その日の夜、フィリシスの部屋で耳にも目にも恥ずかしい話を散々聞かされ、必要以上に精神力を削られ散々な監督官であった。

****    ****    ****

「きっと役に立つわよ、ネリン」
 翌日、ネリンを見送りながら玄関先のホールでフィリシスが爽やかに笑んで見せる。それはもう、後ろに花が見えそうなぐらい魅力的な笑顔で。
「立ってたまるかっっ!! そんなモノっ!!!!」
 羞恥に震えながら、ネリンは本気で怒鳴り散らした。

──END──